労働市場における自分の価値は把握しておくべき!転職も1つの選択肢として残しておこう

パソコンで調べる男性

以前、取引先の人から突然担当の引き継ぎのため来社させてもらいたいとの連絡があった。

どうやら本人は退職するらしく、最後の挨拶も兼ねてのものであった。
元々の担当者である彼は40歳過ぎで、僕よりも年上ではあるが、小さな子供を持つ新米パパとして共通の話題があったため、仕事以外の話をする事も多く、親しくさせてもらったと思っている。

そんな彼が退職するとの報告だった。

新任の挨拶の後、自分は辞めることを改めて手短に話した際に、その理由を「家庭の事情で」という表現で説明した。

彼には子供が3人おり、とても子煩悩な人だった。
仕事の休憩中には、お互いの子供の状況について良く近況を報告しあったものだ。

だから、そんな彼から会社を辞めると聞いた時には、やはり多少待遇が下がるかもしれないが家族との時間を優先出来る仕事に変えるのだろうか、そんな風に考えた。

なぜなら彼の仕事は非常に出張が多く、家に帰る事がとても少ないためだ。

子供3人を持つパパからするととても辛いものだろう。
また、主婦として彼を支える彼の妻の負担も相当なものだと思う。

挨拶のその場には、新任の人や私以外にも数名いたので、そこではあまり詳しく聞くことはしなかったけれど、きっとそうなんじゃないかと思っていた。

当日は新任担当者との懇親のため食事にいった。

食事の時は彼も同席していて、会社を辞めることとなった経緯が知りたかったので色々と質問してみた。

聞いてみると、やはりきっかけは家にいる時間の短さについて、彼の妻と相談した結果転職する事を選択したようだ。転職後の仕事の内容は今とあまり変わらないらしい。

ただ、僕の予想していた答えと違っていたの点があった。
それは、待遇は今よりも良くなるということだった。

正直な所、驚いた。
僕はどこかで、働きやすい=給料は低いのはしょうがない、というイメージを持っていたんだと思う。
けれど彼はどちらも手にしたのだ。早い話がキャリアアップということになる。

労働市場における自分の価値を知る

この話を聞いて、世の中には今自分が持っているスキルや経験が、別の会社においてはもっと評価され、それが待遇に反映されるようなことがある事を改めて感じた。
そして、働きやすさと収入は必ずしも反比例する訳ではないということも知った。

今回の場合は、彼が元々優秀だったからかもしれない。
辞めた会社の給料が業界の水準よりも低かったのかもしれない。

けれど、実際に転職を通じて、今持っているスキルをより高く評価してくれる場所へ行ったのだ。

彼は今回の転職は3回目だという。彼に限らず転職を経験している人は全員が転職することについてフットワークが軽いような気がする。
僕は今の会社しか知らなくて、転職となるとその環境が変わる事には慎重になってしまうが、彼らにとってはそこまで自分を縛り付けるものではなくなっているのかもしれない。

転職が必ずしもいい結果ばかりをもたらすとは思わないが、人材市場の相場における自分自身の価値を把握しておくことは非常に重要であることは間違いない。

最終的に転職するかどうかを決めるのは自分自身だが、転職せざるを得ない状況に追い込まれてから仕事を探すことは、自分の相場を知らずに焦って決めてしまったりして、後悔する可能性がある。また、それとは逆に相場を知っているからこそ前向きに転職に踏み出す場合だってあるだろう。

いずれの意味でも前もって自分の価値を知っておく必要がある。

今のところ転職は考えていない僕自身も、求人情報サイトのいくつかに登録しているし、定期的にサイトを覗いて、今の自分が転職するならどんな仕事が見つけられるのかを把握しするようにしている。

僕が登録しているのはリクナビNEXTとエン転職。
あまり多く登録しても、管理が煩雑になるので、相場を把握するという目的から考えて2つでも十分だと思っている。

最近見たen転職のCMで、バカリズムがこう言っている。
「転職は慎重に」
この言葉には、こういう事前準備も含まれているんじゃないかなと勝手に感じている。